MAAM-Metropoliz / Roma | 函箱雑記帖
造形作家岩田美智子の展覧会案内、日常のいろいろなど。
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MAAM-Metropoliz / Roma
今回ローマでの滞在の最終日を土曜日に決めたのはMAAM-Metropolizというアートスペースに行きたかったから。
ここはいわゆる不法占拠という方法でアーティストたちが活動をしている場所で土曜日だけ一般開放している。
20年近く廃墟となっていたサラミ工場に家を失ったり追われたりしたイタリア人や移民の人達が住み着いた事から始まったらしいが当初こそ治安に問題ありのこの場所も地区の有志たちの努力で今では個性的なアートスペースになっているという事。
さてそこはローマのうんと外れにある。時間の都合もあるので行きはタクシーで。プレスティーナ通り913と手書きの番地が書かれた門前までタクシー代約30ユーロ。結構遠い。
入り口で任意の寄付金を箱に入れて早速周りを見渡せばもう私のアドレナリンはフツフツ。顔面には薄ら笑いが、、、。
既に空気が違う。放牧地のような、キャンプ場のような、穴倉のような、廃墟のような、広場のような、長屋のような、いろんな空間が奥に奥に上に上にと続いている。
ここはもう覚悟を決めて躊躇なく潜入でしょーよ。
子供達が走り回っている。チャオと声かけるとチャオと明るく応えてくれる。
廃工場の内や外に継ぎ足したり修繕したりして人々の居住空間があり好きな場所をアトリエにして作品を制作中のアーティストもいる。
あちこちにグラフィティが描かれ奔放な作品がインスタレーションされている。
時々ポタポタと雫が落ちてくる。見上げれば大きく開いた天井の穴から真っ青な空が見える。 一画にはジァンクなカフェまであり中南米人らしき女性たちが料理をしていた。
イタリア人や多民族の人々がごっちゃに暮らしている。
展示スペースよりもこの住人たちの居住空間の作り方の方が断然興味深く私の足取りはどんどん軽くなる。
薄暗い廊下を進み角を曲がれば急に視界がひらけ洗濯物がはためく広場のような場所に出たり、半壊の壁の向こうにテラスが広がって三輪車で走ってくる女の子とすれ違ったり。

決して恵まれた環境とは言えないんだろうが伸び伸びとした空気が流れているのは何故だろう。
内と外の曖昧な空間は私たちに線引きのくだらなさや窮屈さを示しているようだ。
最低限のインフラで暮らしていようと大切なモノは自身の心根にあり生きるのに必要なものは人との繋がりという、なんだか忘れ去らせそうな価値観が此処では活かされている。日本で言えば戦後のバラックや市場、に近いのかもしれない。
イタリア発祥の美術ムーブメントArte Povera (貧しいアート)の自由な支流がサラサラと脳内を流れてくる。
しかしこういう場所はいつ政府による強制撤去になるかは分からないという。
阻止できる方法は名所になることかも。 興味のある方是非どうぞ!

さぁ、いつまでもここに留まりたい気持ちを抑えて帰りは住民の青年に教えてもらった経路でバスと路面電車を乗り継ぎローマの街中へと戻る。
ホテルへの帰路チルコマッシモ(古代ローマ競馬場跡)で小石や鉄屑、陶片らしき物を拾う。正にロマン溢れる自分へのローマ土産として。

Grazie Roma Grazie Italy!

MAAM-Metropoliz についてのより詳しい情報は以下HPで。
http://passione-roma.com/人が暮らす現代美術館-metropoliz/" target="_blank">metropolis/







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